日本沿岸の野生シャチ(歴史と現状)

日本沿岸の
シャチの生態

日本沿岸のシャチの生態については、個体群の規模や数、主要な移動経路や出現 海域など、水産庁の資源評価でも明らかでない。推定個体数は「目視調査中の他 種との発見比率」からの類推で、太平洋側に1600頭、(房総から北海道周辺 で900頭)オホーツクで721頭とされている。

シャチには、その生活様式によって、いくつかのタイプがあると考えられてい る。主要なタイプは、定住;レジデント;魚類捕食タイプ(型)および 移 動;トランジエント;ほ乳類捕食タイプ(型)である。日本沿岸のシャチがどの ような生活様式を持っているか、現在のところはよくわかっていない。 一方、北米西海岸等では個体識別にもとづく社会や生活様式の解明が進んでいる。1970年代に水族館用の捕獲による個体数減少が懸念されて行われた調査で は、数千頭いると考えられていた個体数が定住型、移動型のシャチ合わせても、1000頭あまりであることがわかったのである。過去における捕獲の実績があるこ とを考えれば、現在、日本の沿岸に現れるシャチの個体数はさらに少ない可能性 さえある。 個体識別が比較的容易なシャチに関して、民間での調査が細々と行われている。 しかし、 日本では、資源利用のメリットが少ない種に関しては積極的な調査努力が注がれ ないことが多いようだ。

資料:戦後日本におけるシャチ捕獲数の遷移