協力NGO,協力者からのメッセージ
毎年、今日のように冷たい風が吹く中に春の柔らかい日差しを感じると、10年前のあの浜辺のことを思い出します。
目の前で起きていることが、まるで映画の画面のように非現実的ななかで、子シャチの鳴きごえばかりが強烈な現実として、何もできない私を打ちのめしました。

「必ず解放するから」と心に誓ったのに、その4ヵ月後にはあっけなく死んでしまった子シャチ。でも、その声は、たくさんの人たちの魂をゆさぶり、どんなことばよりも雄弁にその行為がいかに間違ったものかを世界中に知らしめました。
今も、皆さんはその悲しい声を聞くことができます。そして、「もう二度とこんな事件が起きてはならない」という私たちの思いに共鳴してくださることでしょう。

経過をご覧になればわかるように、この捕獲は「学術的な研究のため」という名目で行われました。しかし、シャチの売買は、1億数千万円という莫大な金額で行われ、ある地方紙は、そのシャチがいずれは転売される可能性があることを書きました。ショーにでていたシャチもいましたし、また、シャチが1頭もいないところに、「繁殖目的」ということで貸し出されたシャチもいます。 建前ばかりが立派で、でもやっているほうも、行政も、みんなそれが事実ではないことを知っているのです。

こんな恥ずかしいことはもう二度とやりたくないだろうなどと思ってはいけません。うその建前がまかり通る世界では、1度通用したことを何回でも通用させようとするものです。一部の金儲けのために、私たちの未来の子どもたちの貴重な財産であるシャチの捕獲が再びもくろまれています。捕獲から10年たった今、ほとぼりが冷めたろうと考える一握りの人たちが再び同じ過ちを繰り返そうとしているのです。

こうしたことを止めることのできるのは、皆さん、一人ひとりの力です。小さな声でもたくさん集まれば大きな力となります。
ぜひ、皆さんのお力をお貸しくださるように、心からお願い申し上げます。 2月7日太地で捕獲されたあなたたちを忘れない!

くらさわななみ
イルカ&くじら・アクション・ネットワーク事務局長
太地の捕獲から、早くも10年が過ぎてしまいました。
捕獲された個体の解放を求め、多くの個人・団体の方たちと 活動してきましたが、実現できないまま3頭が死んでしまい ました。
捕獲された内の1頭が、地元である名古屋港水族館で 飼育される事になったのは、何かの縁のように感じます。
このサイトを通じ、1人でも多くの人に事実を知って いただきたい、何が行われ、何が問題であったのか、そして、 関心を持ち続けていただきたいと願っています。

山下 洋
名古屋港水族館を考えるなかまたち 代表
日本に水族館が造られ私達庶民の娯楽施設として普及し、どのくらい経ったでしょうか。私達の生活や社会の環境はその後の高度経済成長時代と共に大きく変貌していきましたが、反面、水族館はどの様に変化してきたのでしょうか。様々な生息域に棲んでいる生き物を水槽に集めてそれを見る。これほど同じ手法を単純に繰り返してきたものも少ないのではないでしょうか。

今、水族館は転機にあると私は考えます。多くの生き物の大切な命を預かるこの施設が成長することは私達の生活にも大きな影響を与えることが出来ると信じています。特に子供達の教育には大きな効果があるでしょう。近年、いじめや自殺など昔では考えられなかった子供達の事件が社会問題化しています。そのなかで問われているのが命の重さ、尊さです。

2003年に公開されたディズニー映画で「ファインディング・ニモ」をご覧になった方も多いと思いますが、命の大切さや家族の絆を軸とするこの映画の横でニモのモデルとなるカクレクマノミが乱獲される痛ましい事件が各地で起こりました。これが今の水族館の教育であり、命の大切さなのです。 私はもっと真剣に水族館はこうした問題に取り組むべきと考えます。そしてその第一歩がここにあるのです。

四ッ谷 隆文
OSS(ORCALAB SUPPORT SOCIETY)代表